読売新聞の、医療機関を通じた地域づくりについてレポート
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作成日時 : 2008/10/11 13:08
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読売新聞の、医療機関を通じた地域づくりについてレポート
私の考えに近いものがある。
これからの医療機関はいかに地域にかかわり、貢献するか、医師もしかり、と考える次第だ。
でも、協力者がいないとできないわけで、人格的に信望のある医師でないと、できないね。
医療の地域貢献
(上)食を通じて 健康街づくり 診療所近く 高齢者集う食堂
読売新聞 2007年12月25日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/saizensen/20071225-OYT8T00337.htm
(下)病院拠点に 街を再生 医療も 福祉も 交流も
読売新聞 2007年12月26日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/saizensen/20071226-OYT8T00452.htm
医療の地域貢献
(上)食を通じて 健康街づくり 診療所近く 高齢者集う食堂
読売新聞 2007年12月25日
高齢化・人口減少で医療機関の経営環境が厳しくなる中、病院や診療所はどうあるべきなのか。食を通じたふれあいの場を運営する過疎地の診療所の試みは、地域における医療機関の役割を考えるヒントになりそうだ。(内田健司、写真も)
話の花
12月初めの正午過ぎ。青森市浅虫の「浅めし食堂」には、雪が降り始めたにもかかわらず、一人また一人と客が集まってくる。
客の多くは高齢者だ。裏手にある地域唯一の診療所、「石木医院」の診療を終えた人もいれば、評判を聞いて訪れた近隣住民や温泉客もいる。入り口で定食を選んで注文すると、すぐにあちこちで話の花が咲き始めた。
食堂を運営するのは、石木医院の石木基夫院長(50)が設立したNPO法人「活(い)き粋(いき)あさむし」。一人暮らしの高齢者でも、一日に一食は栄養バランスのとれた食事を会話を楽しみながら、安く食べられるようにとの願いを込め、2003年10月に開店した。
現在は日曜・祝日を除き昼間に2時間だけ営業し、弁当の宅配もする。リハビリで診療所に通った後、立ち寄った近藤ちゑさん(88)は、常連の阿部シゲさん(89)と並んで座り、「話しながら食べられて楽しい」と話す。
石木院長は、「医療を提供しているだけでは、安心して住み続けられる地域にはならない。診療や往診を通して聞いた住民の声を生かして、少しでも魅力的な地域づくりに役立つ活動をしたかった」と話す。
五つの機能
多数の人々が出入りする食堂を、出会いや交流などに活用する取り組みは、「コミュニティ・レストラン」(コミレス)と呼ばれ、食を核にしたコミュニティー支援活動として近年注目されている。
コミレスを提唱したNPO法人「NPO研修・情報センター」の世古一穂代表理事(金沢大教授)によると、モットーは、「楽しく働き、おいしく食べ、くつろぎの場を作り出す」。ふれあいのほか、人材養成、生活支援、自立支援、循環型まちづくりなど、五つの機能を持たせることができるという。
全国に約40か所のネットワークがあり、高齢者福祉のほか、引きこもりの若者や障害者の就労支援、子育て支援など、地域が抱える課題を解決するため、様々な形で営業。地産地消、食育、エコクッキングなどに取り組んでいる。
世古代表理事は、「食を核に地域を再生させる動きは、わかりやすく、食堂自体が活性化の場にもなる」と話す。
過疎地の核
運営するNPOの事務局長である公子夫人(青森県浅虫で)
コミレスの運営主体は、地域交流に熱心な有志によるNPOが多く、医療関係者が中心となったものは珍しい。だが、高齢化が進み、これといった求心力がない過疎地などでは、コミレスなどを通じた街づくりの担い手として、医療機関への期待は強い。
浅めし食堂の場合、石木院長が青森市の健康なまちづくり事業に参加し、現在はNPO事務局長を務める保健師の公子夫人(45)と知り合ったことが、きっかけとなった。二人は協力して、地域の自慢料理を集めたレシピ集を作ったり、食堂の新メニューを決めたりしている。
遊休農地で野菜を作り、子どもたちの体験学習の場としたり、食材にしたりするなど、食育にも余念がない。経営が安定したことから、子育て中の母親や退職した男性らに雇用の場を提供できるようになり、現在は常勤1人、非常勤7人のスタッフが働いている。
石木院長は、JR浅虫温泉駅近くにあった社会保険庁の福祉施設を買い取り、今年4月からは旅館の経営にも関与する。「メタボリック(内臓肥満)対策など健康を売りにして、温泉客を呼び込みたい」。診療所を核とした地域活性化へ、新たな挑戦が続いている。
(下)病院拠点に 街を再生 医療も 福祉も 交流も
読売新聞 2007年12月26日
高齢者が在宅で安心して療養生活を送れるようにと、近隣住民を巻き込んで街づくりに取り組む医療機関が現れ始めた。北九州市では、医療法人の理事長が他の医療機関の協力を得て、健康支援や認知症対策を進めている。(内田健司、写真も)
生涯安心
北九州市内で最も高齢化率の高い八幡東区。荒生田神社の集会所で今月7日、認知症予防講演会が開かれた。お年寄りや民生委員、認知症サポーターら約100人が集まり、生きがいを見つけることなど予防の重要性を学んだり、記憶力などを判定するテストを行ったりした。
講演会を主催したのは、同市内にある西野病院の西野憲史院長を理事長に昨年7月に設立された、NPO法人生きがい創造塾だ。西野院長は、同病院を核に、市内で老人保健施設や訪問看護ステーションなどを経営している。
10年ほど前から、高齢者の遠足やウオーキング、エアロビクスなど、健康づくりや生活習慣病予防の事業を積極的に企画。子供体操教室や料理教室、健康まつりも定期的に開催してきた。夏祭り、クリスマス会、もちつきなどの行事や清掃、花壇づくりなど、地域交流のための活動も続けている。
「地域住民が病気や障害を負っても、生涯にわたり安心して暮らせるよう、医療だけでなく、福祉、予防分野を重視している」と西野院長は説明する。
NPOの設立に踏み切ったのは、一医療機関の活動では広がりがないと判断したため。「病院よりNPOの方が、患者ではない住民にとって敷居が低い。NPOにしたことで、他の医療機関の医師の協力も得られやすくなった」という。
実際、認知症の講演会では、福岡大医学部神経内科学教室の山田達夫教授が無償で講師を引き受けてくれた。山田教授は、「NPOとして、自分たちで地域のことを考えるという創造的な活動をしていくことが大切だ」とエールを送る。
新たな役割
医療機関の存在が、地域再生の視点から注目されている。
千葉大法経学部の広井良典教授はこのほど、全国の自治体を対象に、コミュニティーの拠点は何かと尋ねる調査を実施した。それによると、医療・福祉施設を挙げる回答が、学校に次いで2番目に多かったという。
病院などが、医療サービスの提供を超え、地域での役割を担うケースは少なくない。例えば、兵庫県尼崎市の関西労災病院では、患者や住民らが楽しめるホスピタルパークを開設した。四季折々の花が楽しめる癒やしの空間として好評で、地域住民によるボランティアが管理に協力している。
広井教授は、こうした例を挙げた上で、「医療・福祉機関は、閉じたものというより、地域コミュニティーの拠点的機能を持つことが今後重要になっていく」と話す。
発想の転換
政府は現在、長期療養が必要な療養病床を大幅に削減する医療制度改革を進めている。これにより、在宅で療養する高齢者は今後増えていく見通しで、支援体制の構築は急務となっている。
一方、医療財政が厳しさを増し、老人医療費の高い地域では、入院する高齢者をいかに減らすかが課題となっている。西野病院のように、健康に関心を持つ地域住民が集まる機会を設ける取り組みは、予防効果が期待できるだけでなく、安心して暮らせる地域づくりに直結する。
産業医大公衆衛生学教室の松田晋哉教授は、「医療施設・介護施設が持つ『高齢者の生活』を保障し、安心のよりどころになるという機能を積極的に地域に開放していくという発想の転換が重要だ」と指摘している。
認知症サポーター
認知症サポーター 全国キャラバン・メイト連絡協議会が養成したキャラバン・メイトによる講座を受講し、認知症を正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守ることが出来る人。9月末現在、全国に約27万人。メイトは1万4385人。全国でサポーターを100万人養成する運動が続いている。
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